お母さんの便秘が赤ちゃんにうつる?

母乳育児中、お母さんが便秘だと赤ちゃんも便秘になる……なんて話を見かけることがあります。
それって医学的にあり得るの?

答えは、「うつらない」だと思います。ものすごくあえていうとするなら「若干ありうる部分もゼロとは言えないけど、まあうつらない」
うつる、というのは正しくない。これは間違い。
軽く考察してみましょう。


一番の原因と言いますか、前提として授乳中のお母さんは、授乳のために脱水気味になっている可能性がある&食生活を含む日常の生活が不規則になり、便秘気味の人が多い、ということが考えられます。
そしてそこに、偶然赤ちゃんの便秘が起こる……すると、
「私の便秘が赤ちゃんにうつった!」
と考えてしまう。
これが、「お母さんの便秘が赤ちゃんにうつる」という俗説が生まれた一番の原因だと思います。
なので、実際には、赤ちゃん自身が特に母親とは関係なく便秘しているだけ、という可能性が高いです。

「若干ありうる」として私が考えたのは、主に食事量=母乳が少なめである可能性です。

便秘の原因として、まず「食事量が少ない」ことがあげられます。
食事量が少なく、便の量が少ないと、当然ながら便秘が起こります。
赤ちゃんの場合は母乳です。母乳の中でも「質」と言いますか(表現は微妙ですが)、固体の便になる食物残渣、つまり母乳の中の水分以外の部分が足りない可能性があります。
これは、母乳の生産者、つまりお母さんの栄養が足りていない、食事が足りていない可能性があります。食事が足りなければ、お母さんも便秘気味になるでしょう。
ただ、よほど母親自身が影響失調とかでなければ、この母乳の成分自体に大きな影響はないと考えますので、ここは微妙なラインといいますか、正直考えにくい。

私があげたいのは、母乳の成分ではなく「水分量」です。
便秘の原因としての「水分が足りない」こともあげられます。
水分が足りなければ、便は硬くなり、便秘になります。
赤ちゃんの場合、母乳の量、母乳の中の水分が足りない(つまり母乳自体少ない)ことになります。
で、これも母親の脱水が原因である可能性があります。
母乳を上げている人は、いつもよりも多く(必要な母乳の量と同等以上)の水分を、普段自分が飲む量に加えて飲まなくてはいけません。これが足りないと、母乳も減りますし、母親自体も脱水になります。
結果として当然お母さん自身も便秘になりますよね。
母乳をあげている間は、ぜひ水分摂取は気をつけて行って欲しいなと思います。



ちまたで見かける「母親の食事の中の食物繊維が足りないから母乳の食物繊維が減る!」という説。
ちなみに、食物繊維は母乳中には分泌されません(と言いますか、便の嵩を増やすための食物繊維は、吸収されないからこそ意味があると言えます)。
とはいえ、食物繊維の足りない食事は、栄養バランスに問題がある可能性が高いでしょうから、母親自身の便秘解消のために、質のよい食事を摂る事を是非お勧めします。



以上、某所で「お母さんの便秘が赤ちゃんにうつる原因と解消法!」と食物繊維や怪しいお茶を薦めるサイトをみかけたので、気になって書いたものです。
母乳の質に気をつける、というよりも、母乳育児中は、ママ自身も便秘にならないようなバランスよい食事としっかり水分摂取することを意識してはいかがでしょうか。
その上で、赤ちゃんが便秘だったら、きちんと対処してあげましょうね

(当サイト内にもいくつか赤ちゃんの便秘解消法を記載しています、「赤ちゃんの便秘」タグを参考にされてください)

(記事は下に続きます)
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