綿棒浣腸はくせになる?


綿棒浣腸はくせになる? という話を散見しますが、結論から申しますと、ないと思います。
少なくとも、「私、綿棒浣腸されてたから、綿棒がないと便が出ないのよね」という人には会った事がありません。

というのも、そもそも人間は、直腸に便がたまると、その刺激で「トイレにいきたい」と便意をおぼえ、排便を促す様々な動きが起こるようにできています。
これを、直腸結腸反射といいます。
綿棒浣腸も同様に、直腸に刺激を加えることで、直腸に便があるように思わせます。
通常の便と同様、その刺激で腸の蠕動が促され、肛門括約筋がゆるみ、腹圧がかかることで排便するようにするという一連の排便行為が行われるわけです。

ですので、よほどやり方を間違える(一日何度も何度もしたり、綿棒を深く差し込みすぎたり、綿棒にオイルをつけずに挿入したり、といった行為で直腸や肛門を傷つける真似をするなど)ことがなければ問題ないと思います。

おそらく、「綿棒浣腸がくせになる」という説ができたのは、綿棒浣腸をするような赤ちゃんはもともと便秘気味なので、

 綿棒浣腸をやめたら便がでない
  ↓
 綿棒浣腸がくせになった!

という誤解から発生したのではないでしょうか。

綿棒浣腸は、根本的な便秘の原因治療ではありません。あくまで、その時の便秘を解消する、というものです。
例えば、赤ちゃんの腹圧が弱すぎて便がなかなか出ない、なんていうのが原因の便秘は、成長して腹圧が強くなるまで常に便秘ぎみでしょう。これを綿棒一本で治療するなんてのは不可能ですよね。

特に病気などの原因のない赤ちゃんの便秘は、成長過程にあるから起こっている、いわば生理的な便秘が大半ではないかと思います。
大きくなって、運動したり、ご飯を食べるようになったりすれば、あとは大人と同様の便秘対策で、快適な便通が訪れることでしょう。

赤ちゃんの軽い便秘に目くじらをたてることはありません。
しかし、あまり便秘をこじらせて、不機嫌になったり、両親が「このままで大丈夫かな?」と心配してはらはらするよりは、数日に一度は適度に排便を促すように綿棒浣腸をしてあげることは、ママもパパも赤ちゃんも、家族みんなの心の健康によいことなのではないでしょうか?

もちろん、やり過ぎは厳禁ですよ!


赤ちゃんの便秘についてはいくつか記事がありますので参考に。マルツエキスやイチジク浣腸の話も書いてますよ。
「赤ちゃんの便秘」のラベル

(記事は下に続きます)
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